fusion360でトルクの概算

 fusion360って素材をを指定すると、勝手に質量と重心の慣性モーメントを計算してくれるみたい。 これを元にモーターにかかる負荷慣性モーメントを計算し、必要トルクを概算してみる。

 まず、コンポーネントを右クリックしてプロパティを開く。
注意点として、測りたいコンポーネントを親コンポーネントにまとめる。
コンポーネントをまとめないで、複数選択でプロパティ開いても、1つのコンポーネントの数値しか表示されない。

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すると、下図のように質量と慣性モーメントが表示される。

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クリップボードにコピーをクリックしてメモ帳か何かにペースト。

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今回は足をZ軸方向に平行な軸を中心に回転させるので、重心のZ軸を平行移動させる。
平行軸の定理が使えるので、重心と回転させたい軸との距離dを求める。

平行軸の定理


I=I_g+Md^2


距離はツールバーの検査-計測から測れる。

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数値は


M=104.695(g)\\
d=68.593(mm)\\
I_g=I_{zz}=1.645×10^5(g\cdot mm^2)

であるから、


I=6.571×10^5(g\cdot mm^2)=6.571×10^{-4}(kg\cdot m^2)

モーターにかかる負荷慣性モーメントが導出できた。

今回モーターはMG92Bを使用する。
6.0Vでストールトルク(起動トルク)は3.5(kgf\cdot cm)である。摩擦云々考慮して、0.8掛けで2.8(kgf\cdot cm)=2.8×10^{-2}(kgf\cdot m)=0.27(N\cdot m)とする。

MG92Bの無負荷動作速度が0.08秒/60°(6.0V)。13rad/sであるから
0.1秒で10rad/sに加速出来ればロボットの動作には影響はないと考える。
初めの角速度をω1、終わりの角速度をω2とする。

必要トルクTは


T=I\cdot \frac{(ω_2-ω_1)}{t}

である。

計算して


T=I\cdot \frac{(ω_2-ω_1)}{t}=6.571×10^{-4}\cdot \frac{10}{0.1}=6.571×10^{-2}(N\cdot m)

である。

6.571×10^{-2}<0.27

であるからモーターのトルクは十分であるといえる。
合ってるかなこれ...


参考文献

http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/panas-geared/book/panas-geared-P0025.pdf

工業力学入門講座(第22) 慣性モーメントと加速トルクと加速時間